トップページ眼疾患について > 加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration: AMD)

加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration: AMD)

疫学

日本では比較的少ないと考えられていたが、社会の高齢化と生活の欧米化により、近年著しく増加しており、日本における失明原因の第4位となっている。日本国民の50歳以上の約1%にみられ、高齢になるほど多くみられる。

視覚障害者手帳交付の原因疾患
1位 緑内障(20.7%)
2位 糖尿病網膜症(19.0%)
3位 網膜色素変性(13.7%)
4位 黄斑変性症(9.1%)
5位 高度近視(7.8%)

※網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する研究
平成17年度総括・分担研究報告書42.わが国における視覚障害の現状より

疾患

加齢黄斑変性は眼の網膜にある「黄斑」という部分の機能が、加齢等の原因によって障害される病気である。脈絡膜(みゃくらくまく)から発生する新生血管(脈絡膜新生血管)の有無で「滲出型(ウェットタイプ)」と「萎縮型(ドライタイプ)」に分類される。
日本に多いのは滲出型であり(全症例の約80%)、治療法があるのも滲出型である。

症状

中心が歪んで見える、中心が暗く見える、色がわからなくなる、視力低下などの症状がみられる。一般的に症状はゆっくり現れる。中央部以外は見えている状態で、全く光を失ってしまうことはない。

治療

※萎縮型には現在のところ治療法がない。

  • 抗血管新生薬療法(抗VEGF療法)
  • 光線力学的療法(PDT:photodynamic therapy)
  • レーザー光凝固術

予防

  • 禁煙
  • サプリメント…
    ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛などを含んだサプリメントを飲むと加齢黄斑変性の発症が少なくなることがわかっている。加齢黄斑変性の発症は少なくなるが、完全に抑えることはできない。加齢黄斑変性になっていない人にも勧められるが、一方の目に加齢黄斑変性が発症した人にはサプリメントの内服が強く勧められる。
  • 食事…
    緑黄色野菜はサプリメントと同様に加齢黄斑変性の発症を抑えると考えられている。肉中心の食事より、魚中心の食事の方がよいようである。